データサイエンティストに必要なPythonやR|どっちがいいの?
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データサイエンティストを目指す場合に、使われている言語としてPythonとRがあるけど結局どちらを勉強するべきなのか、両方やるべきなのか気になる方も多いのではないでしょうか。本記事ではPythonとRの言語としての特長を比較した上で、どちらがおすすめなのか結論を出し、合わせておすすめ学習方法を紹介いたします。
目次
データサイエンティストとは
データサイエンティストとは、データを分析し、洞察を得て意思決定を支援する専門家のことです。データサイエンティストがプログラミング、統計学、機械学習等を駆使し、企業や組織に内在している多種多様なデータからパターンを発見し、予測モデルを構築することで、企業や組織は競争力を高めるような戦略的な意思決定を行うことができます。データサイエンティストはデータの専門家であり、現代のビジネス環境で不可欠な存在となっています。
データサイエンティストに必要なスキル
データサイエンティストとして活躍するために必要な3つのスキルを紹介します。
データサイエンティストに必要なスキルをデータサイエンティスト協会では「データサイエンス力」「データエンジニアリング力」「ビジネス力」の3つと定義しています。
PythonやR等のプログラミング言語はそのうち「データエンジニアリング力」に分類されるスキルです。各スキルの詳細は以下をご覧ください。
1. データサイエンス力
~情報処理、人工知能、統計学などの情報科学系の知恵を理解し使う力~
データ分析能力
データサイエンティストはビッグデータと言われる大規模で複雑なデータセットを分析し、そのパターンやトレンド、および洞察を発見する能力が求められます。統計学、確率論、データ可視化などの手法や様々なツールを駆使してデータを理解・解釈し、後述するドメイン知識を基に仮説を立て、問題を解決するために統計的アプローチや機械学習を駆使する能力が必要です。
機械学習の知識
データサイエンティストは機械学習アルゴリズムに精通し、データから予測モデルを構築する能力が求められます。モデルのトレーニング、評価、および改善も業務内容に含まれます。また、深層学習やリカレントニューラルネットワークなどの高度な機械学習技術にも理解が必要です。今話題のChatGPTをはじめとする生成系AIや、AmazonやNetflixの「一人ひとりの履歴からその人に合ったものを提示する機能」も、こういった機械学習の技術が組み込まれています。
2. データエンジニアリング力
~データサイエンスを意味のある形につかえるようにし、実装・運用できるようにする力~
データ処理スキル
生のデータを整理し、使いやすいフォーマットに変換して、分析やモデリングに適した状態にするためのスキルセットで、データベースとSQL(Structured Query Languageの略)の知識が必要です。データを処理することで、データサイエンティストはクリーンで整形されたデータを用いて高度な分析や機械学習モデルの開発を行えるようになります。
データ品質管理
データの信頼性が高く、正確で、セキュリティが確保されていることを確認するプロセスです。これにより、データ分析や意思決定が信頼性のあるデータに基づいて行われ、ビジネス上の問題を正確に把握できるようになります。
インフラストラクチャ管理
クラウドプラットフォーム(AWS、Azure、Google Cloudなど)やコンテナ化技術(Docker、Kubernetesなど)を駆使して、データサイエンティストがデータを安全に保存し、高度なデータ処理を行うための環境を整備することで、スケーラビリティとパフォーマンスを確保できます。
3. ビジネス力
~課題背景を理解した上でビジネス課題を整理し解決する力~
ドメイン知識
データサイエンティストは所属業界やビジネス領域に関する深い理解を持つ必要があります。この知識をドメイン知識と呼び、データをビジネス課題に結びつけられることでデータ駆動の意思決定を支援することができます。ドメインの知識には、例えば業界のトレンド、競争状況、および顧客のニーズや業界特有の習慣などが含まれます。
コミュニケーションスキル
データサイエンティストはビジネスステークホルダーとコミュニケーションを円滑に取り、データの意義を説明し、洞察を共有する必要があります。クリアで効果的なコミュニケーションは、データプロジェクトの成功に不可欠です。
プロジェクト管理
プロジェクト計画、リーダーシップ、優先順位付けなどのプロジェクト管理スキルを持つことで、データプロジェクトを成功に導きます。タイムラインを守り、リソースを適切に管理します。
データサイエンティストに必要なプログラミング言語とは?
データサイエンティストに最も一般的に使用されるプログラミング言語にはPythonとRがあります。これらの言語はデータ収集、データ分析、機械学習モデリングなどのタスクに広く適しています。それぞれの言語としての特徴を紹介します。
Pythonの特徴
Pythonは多くのデータサイエンティストによって好まれるプログラミング言語の1つです。その特徴は以下の通りです。
- シンプルで読みやすい構文
- Pythonはシンプルで読みやすいコードを書くことができます。
- 豊富なライブラリ
- Pythonにはデータ分析や機械学習に役立つ多くのライブラリ(NumPy、Pandas、Scikit-Learnなど)が用意されています。
- 活発なコミュニティ
- Pythonのコミュニティはその利用者の多さからも非常に活発で、問題やエラーに対する解決策を見つけやすいです。
- クロスプラットフォーム
- Pythonはさまざまなプラットフォームで動作するため、柔軟性があります。
- 大規模プロジェクトのサポート
- Pythonは大規模プロジェクトにも適しており、多くの大手企業や組織で使用されています。
Rの特徴
Rもまたデータ分析に適したプログラミング言語であり、統計分析に特に強みを持ちます。Rの特徴は以下の通りです。
- 統計分析に特化
- Rは統計分析のために設計されており、統計モデリングやデータ可視化に強みを持っています。
- 豊富なパッケージ
- CRAN(Comprehensive R Archive Network)から提供される多くのパッケージが利用可能です。
- データフレーム
- Rはデータフレームと呼ばれるデータ構造をサポートしており、データを効果的に扱うことができます。
データサイエンティストにはPythonがおすすめ?
Pythonは多くのデータサイエンティストが初めに選択する言語です。その理由は、Pythonがデータ分析や機械学習のために広く使用されており、利用者も多いため研究も盛んであることから、多くのライブラリとツールが利用可能であるためです。また、Pythonはプログラミングの初学者にもやさしい言語とされており、コミュニティのサポートも手厚いです。
データサイエンティストの中には、ケースに応じてPython、R、Excel等様々なツールを使いこなすデータサイエンティストもいます。どれか一つを選ばなければいけないわけではないですが、初心者の場合はある程度使いこなせるまで、PythonかRどちらかに集中した方が良いでしょう。
Pythonを学ぶメリット ~Excelとの違い~
データを学ぼうとする際によく比較されるツールとしてExcelがありますが、Excelを使う事とPythonでデータ分析をすることの違いは以下の通りです。
習得難易度
習得難易度では多くの方が学生の頃から触る機会の多いExcelに軍配が上がります。一方、先述したように、Pythonはプログラミング言語の中でも習得難易度が低いと言われており、データ分析に限らず多くのプログラミングの導入として学ぶ方も多いです。
扱えるデータの量
Excelは数百行程度のデータを扱うのには問題がないですが、数十万行のデータとなると、フィルターを掛けるだけでも数秒~数十秒かかることがあります。似たようなケースでフリーズしてしまった経験のある方も多いのではないでしょうか。一方Pythonでは何百万行といったデータの処理を1秒もかからず終わらせることができます。アンケートの集計程度であればExcelで十分行えますが、ビジネスに関するビッグデータを扱うデータサイエンティストがPythonを使っている理由はここにあります。
解析の自由度
Excelではその仕様上、すでに組み込まれている関数しか原則使うことができません。一方でPythonは、データサイエンティストを支えるライブラリ(Excelの関数のようなものがセットになっているもの)が豊富にあり、研究も盛んにおこなわれているため、Excelよりも自由に分析を行えます。
※2023年にはExcel上でPythonを記述できるようになったことからも、Pythonの重要性がうかがえます。
アプリ開発/機械学習
Pythonはプログラミング言語であり、汎用性の高さも利点になります。例えばデータサイエンティストではなくエンジニアになりたいと考えなおした際、Pythonを学習済みであればそのまま対応が可能です。またデータサイエンスの分野で機械学習など高度な技術を扱えるのもPythonの利点です。
AIエンジニアに重要なスキル
作成するべきAIの出力目標が決まっているAIエンジニアは、いかに高性能なAIを構築できるかという技術力がより重要になります。同じタスクをこなせるAIをいかに効率よく作成できるか、AIの出す結果の精度がどれほど高められるかといった点が評価につながることからも明白です。
結論として、ExcelよりもPythonがすぐれている点として、「扱えるデータの量」「解析の自由度」「アプリ開発/機械学習」等が挙げられます。
Pythonは独学で学べる?
Pythonは独学で学ぶのに適したプログラミング言語であり、数多くのプログラミング言語の中でも一番学習しやすいと言われています。Pythonのシンプルで読みやすい構文は初学者にとっても理解しやすく、多くのオンラインリソースや学習コースが利用可能です。独学でPythonを学ぶことは可能で、独学で習得している人も少なくないです。
Pythonのおすすめの学習方法
Pythonのようなプログラミング言語は、とにかくたくさんのコードを書く学習方法がおすすめです。書籍、eラーニング、スクール、無料の学習方法をいくつかご紹介いたします。
書籍で学ぶ
スッキリわかるPython入門 第2版(スッキリわかる入門シリーズ)
Python初心者にも、プログラミング未経験者にもおすすめの入門書です。ページ数は多いですが、初心者でもわかりやすい解説がなされています。一方であくまで入門書ですので、ある程度プログラミング経験がある方や実際にプログラムを動かすところまで行きたい方は追加の学習が必要になります。
データ分析に特化しているわけではないですが、プログラミング言語としてのPythonの基礎を学ぶには良いでしょう。
Python[完全]入門
こちらもPython初心者にオススメできる入門書です。変数や関数といったプログラミングの基本的概念の説明は簡潔に記載されていますが、Python特有の概念については例を含めて説明があるため、移動中などパソコンの前に座れない状態でも学習しやすいといえます。
こちらも同様に、基礎となるため応用分野に関しての記載は少ないですが、基礎を学ぶには適切と言えるでしょう。
eラーニングで学ぶ
BizLearn
BizLearnはeラーニング業界最大手、法人での導入実績6,000社を超えるNetLearningが運営する、個人向けのeラーニング提供サービスです。実際に企業に求められ、認められているeラーニング教材でPythonを学ぶことができます。
チューター(24時間質問可能)制度があるので、学習中に困った際に専門家に聞くことができるのもBizLearnの教材の強みでしょう。
講座内では実際に手を動かしながら課題等に挑戦することで、学びの定着にも繋がります。
また、半年という受講期限があるので、「出来る限り自分のペースで学びたいけど、なまけたくない」という方にもおすすめです。
Udemy
Udemyは世界中の個人が登録している様々なスキルを、オンライン上で学べるサイトです。多数の教材から自分に合ったものを探す手間はありますが、あったものが見つかれば自分の好きな教材・自分に合ったペースで学習することができます。
頻繁にセールもしているので「予算的にもそこまでお金を掛けられない」という方におすすめです。
スクールに通う
Tokyo iX(トウキョウアイエックス)
Tokyo iXのスクールに申し込むとPython等の事前学習の無料サポートを受けることができます。Tokyo iXではBizLearn運営元のNetLearningと提携しているので、法人向けeラーニング最大手であるNetLearningのPython講座を無料で受講できる点がメリットです。また受講に向けて数学・統計等の事前知識の学習スケジュールも無料で作成されるので、データサイエンティストやデータアナリストを目指すと決めている方や、学習管理が苦手な方におすすめです。
また単なるPythonのスクールではなく、データサイエンティストやデータアナリストを目指すための講座のため、Pythonだけのスクールに通ったあとにデータサイエンス系のスクールに入るよりも、結果として安価で済む可能性もあります。
※Tokyo iXでの受講の場合、チューター制度の対象外となります。
Aidemy Premium(アイデミープレミアム)
Tokyo iXと同様に、Aidemy Premiumもデータ人材を目指すためのスクールでありながらPythonを学ぶ講座が含まれています。
Tokyo iXと異なる点は、講座としてデータ分析講座だけでなく、AIアプリ開発講座やE資格対策講座がある点です。
3ヵ月、6ヵ月、9ヶ月と期間も自由に選べるため、自分のペースに合った期間を選べる点も利点です。
無料で学ぶ
YouTube
YouTube上にも様々な専門家が公開している無料の教材動画があります。どれかを選んで購入する必要がないため、手間はかかりますが自分に合う動画を探して試してみることができるのは利点になります。一方で有料教材の購入をしなければ完全な知識が身につかないケースもあるため、購入する前には本当に自分に合っているかしっかりと確かめる必要があるでしょう。
またほかの学習方法と合わせて活用していくことができる点もYouTubeでの学習の利点です。教材でわからないテーマだけ動画を調べて理解を深める勉強方法はおすすめできます。
Kaggle
Kaggleは世界中のデータサイエンティストが参加する、データサイエンスのコンペティションを主催しているサービスです。機械学習や深層学習といった手法を使って作成するモデルの精度を問うコンペティションになるので、その分野の人材育成にも一部力を入れており、英語が得意な方であれば、「Kaggle」のラーニングコース等を活用することで、Pythonの基礎から無料で学習することができます。
初心者が挫折しないためのコツ
Pythonを学ぶ際に初心者が挫折しないためのコツは以下の通りです。
- 小さなステップから始める
- いきなり大きなプロジェクトから始めるのではなく、今の自分でもできる範囲の小さな課題から着実にスキルを構築していくことが大切です。
- 継続的な学習
- Pythonは知識ではなくスキルとして必要です。毎日少しずつでも学ぶ習慣を身につけましょう。
- 実践的なプロジェクト
- Pythonを学んだ知識を実際のプロジェクトに適用し、成果物を作成しましょう。目的物がないと、「記述の仕方はわかったけど、なにもできない」状態に陥ってしまいます。業務ですぐに活用できない人は、ご自身でプログラムを設計することや、簡単なゲームを作成してみるのもオススメです。
- 質問を恐れない
- 疑問があればFacebookやDiscordなどのSNS上にあるオンラインコミュニティやフォーラムで質問し、助けを求めましょう。X(旧Twitter)等で質問してみるのもオススメです。
- 楽しむこと
- Pythonの学習を楽しむことが続ける秘訣です。ぜひ短いステップごとにご自身にご褒美を用意して、楽しみながら学習を進めましょう。
Pythonを学習する順番と習得に必要な期間
デーサイエンティストを目指す場合のPythonの学習順番として一般的なステップを記載します。また期間は1日1時間程度学習した場合として掲載していますが、ご自身の生活スタイルや忙しさに合わせて調整してみてください。
- 基本的な概念と文法(2週間)
- 変数、データ型、演算子など基本的な概念を理解する。
- 制御構造(if文、forループ、whileループなど)を学ぶ。
- 関数とモジュール(2週間)
- 関数の定義と呼び出し、モジュールの使用方法等を学びます。
- データ構造(2週間)
- リスト、タプル、辞書、セットなどのデータ構造を理解します。
- オブジェクト指向プログラミング(3週間)
- クラス、オブジェクト指向、継承などの基本的な概念を学びます。
- ライブラリ(3週間)
- NumPy、pandas、Matplotlibなどのライブラリを学びます。
- 実践(時間があるだけ)
- 時間の許す限り、分析の実践を行いましょう。Kaggle等のコンペに挑戦するのもオススメです。
まとめ
データサイエンティストにとってPythonは非常に重要なプログラミング言語であり、多くのスキルと知識を学ぶための有用なツールです。Pythonはシンプルで読みやすい構文を持ち、データ分析、機械学習、Web開発など幅広い用途に適しています。また、独学で学ぶことが可能であり、無料のコンテンツも数多く存在するため初学者にはお勧めです。Pythonの学習は自己成長とキャリアの発展につながり、データサイエンスの世界で重要なスキルを習得する手助けとなります。
本ブログを運営するAI人材育成機構では、完全未経験からデータアナリスト・データサイエンティストを目指すデータサイエンティスト育成スクール、Tokyo iX『データサイエンス学科』を運営しています。スクールでは、Pythonのスキルがない方向けにNetLearng社、BizLearnのPython講座を無料で提供しているほか、統計や数学等必要な知識の習得も無料でサポートしています。
データサイエンス学科は経済産業大臣の認定を受けた第四産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)となっており、費用に関しても、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金の対象講座です。一定の要件を満たす場合は授業料の50〜70%の支給を受けられます。
オンラインで受けられる無料の個別相談を実施していますので、「無料のサポートについて知りたい」、「講座について詳しく知りたい」、「講座に興味はあるが、自分に出来るのか不安がある」という方もぜひお気軽にお申し込みください。
無料相談する筆者あとがき
2023年にはExcelでも記述ができるようになったPython。プログラミング言語としては、Webやクラウド等で幅広く利用されているJavaScript(1240万人)についで2位(1010万人)のユーザーがおり、またデータサイエンティストや機械学習・AI開発者の70%がPythonを利用している(Rは17%)という調査結果(英,SlashData,2021)も出ています。ただし記事で述べたポイントは、「データサイエンティストを目指す際にはじめに学ぶべき言語」という点です。Tokyo iXのメンターである現役のデータサイエンティストにもRの利用者やPythonと両方活用しているメンターもいますので、Pythonに慣れてきたらRもぜひ触ってみることをお勧めします。データサイエンティストとしての武器を増やしましょう!

