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データサイエンスが学べる大学まとめ|2024年版【関東・偏差値50以上編】

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データサイエンスを学べる大学の学部・学科は2017年頃から増加し始めており、結果として『データサイエンス学部』ではない学部でも、データサイエンティストを目指すことが可能な大学が多いのは知っていましたか?
文部科学省が始めた「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)」との関連性から、関東でデータサイエンティストを目指せる偏差値50以上の大学17校をまとめました!

データサイエンスの重要性

データサイエンスは、情報技術の進歩とインターネットの普及により生成されたビッグデータと呼ばれる膨大なデータを有効活用するための技術です。データサイエンスを行う専門家のことをデータサイエンティストと呼び、データを解析し、洞察を得て意思決定をサポートすることがミッションとなる職種です。IT技術として位置付けられていますが、IT業界だけでなく、ビジネス、医療、エンターテインメント、建築など、さまざまな分野でデータサイエンスが活用され、新たなビジネスチャンスや問題解決の手段が生まれています。近年需要が高まっている職種でもあり、平均年収は毎年上昇を続け、800万円をこえています。

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データサイエンス系学部・学科で学べること

データサイエンス系の学部・学科では、数学、統計学、プログラミング、データ解析、機械学習など、データサイエンスに関連する幅広いスキルを学ぶことができます。学生たちは実際のデータセットやオープンソースデータ(公開データ)等を使用して問題を解決し、データに基づいた意思決定の経験を積むことができます。

どのようなことを学んでいくのか、自分に合っているのか知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

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またよくある誤解なのですが、学部名に「データサイエンス」が入っていなくてもデータサイエンティストを目指すことは可能です。学部名だけで判断するのではなく、カリキュラムやプログラムが用意されているか確認する必要があります。

数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(MDASH)とは?

MDASHとは、数理・データサイエンス・AIに関するプログラムを備えていることを認定する文部科学省の制度です。

制度では素養を身につけられるプログラムを認定した「リテラシーレベル」認定と、スキルを身につけられるプログラムを認定した「応用基礎レベル」認定が大きく分けて用意されています。

リテラシーレベル
リテラシーレベルは、データと社会との関係性を学ぶ「導入」、データを読み解き、扱うための基礎的な能力を学ぶ「基礎」、データやAIを利活用する際の倫理的・法的・社会的な留意点などを学ぶ「心得」などにより構成されており、大学等の全ての学生が身に付けておくべき素養として位置づけられております。(※)
応用基礎レベル
応用基礎レベルは、リテラシーレベルの教育を補完的・発展的に学び、データから意味を抽出し、現場にフィードバックする能力、AIを活用し課題解決につなげる基礎能力を修得し、自らの専門分野に数理・データサイエンス・AIを応用するための大局的な視点を獲得することを目標としており、リテラシーレベルとエキスパートレベルの教育の橋渡しとなる教育として位置づけられております。(※)

(※)引用:数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度|文部科学省新しいウィンドウで開く

すべての大学を紹介することは難しいので、本記事では「データサイエンティスト」としてのキャリアを描く方を対象に、一部知識だけでなくしっかりと必要な知識が身につけられる応用基礎レベルの認定を、関東で受けている偏差値50以上の大学に絞って紹介いたします。

補足:「数理およびデータサイエンスに係る教育強化」の拠点校

文部科学省が2016年に「数理及びデータサイエンスに係る教育強化」の拠点校を選定しました。以下の6大学が拠点校となります。

大学名 事業名
北海道大学 数理的データ活用能力育成特別教育プログラム
~データサイエンスセンター(仮称)の設置~
(執筆者追記:名称は数理・データサイエンス教育研究センターになっているようです)
東京大学 数理・情報教育研究センターの設立
滋賀大学 データサイエンス教育の全学・全国への展開
―データリテラシーを備えた人材の育成に向けたカリキュラム・教材の開発―
京都大学 データ科学イノベーション教育研究センター構想
―21世紀のイノベーションを支える人材育成―
(執筆者追記:実際にセンターが設置されています)
大阪大学 数理・データ科学の教育拠点形成
九州大学 九州大学「数理・データサイエンス教育研究センター(仮称)」構想
(執筆者追記:名称は上記で確定しているようです)

出典:数理及びデータサイエンスに係る教育強化」拠点大学選定校一覧|文部科学省新しいウィンドウで開く

これらの拠点校は、「数理・データサイエンス教育を強化する」というビジョンが明確であり、また、データサイエンスの専任教員が配置されているなど、データサイエンスを学べる環境が整っています。

データサイエンスを学べる関東の大学

現在データサイエンスを学べる、データサイエンティストを目指せるMDASHの応用基礎認定を受けたプログラムのある関東の大学のうち、偏差値が50以上の大学は17校あります。

偏差値 公私 大学名 学部名
70 国立 東京大学 全学部
65 国立 東京工業大学 全学部
62.5 私立 早稲田大学 全学部
60 国立 筑波大学 情報学群
60 国立 筑波大学 理工学群
60 私立 明治大学 総合数理学部
57.5 私立 横浜市立大学 データサイエンス学部
57.5 私立 法政大学 全学部
55 私立 工学院大学 先進工学部
55 私立 工学院大学 工学部
55 私立 工学院大学 情報学部
55 私立 芝浦工業大学 システム理工学部
55 私立 津田塾大学 総合政策学部
55 私立 上智大学 全学部
55 私立 中央大学 全学部
52.5 私立 学習院大学 全学部
50 私立 日本女子大学 理学部
50 国立 千葉大学 全学部
50 国立 東京農工大学 全学部
50 私立 成城大学 全学部

早速、関東でデータサイエンスを学べる、MDASHの基礎応用レベル認定を受けたプログラムのある大学を見ていきましょう。

また各大学の記載内容は以下の通りです。

プログラム名称
MDASH応用基礎レベルの認定を受けたプログラムの名称
修了要件単位数
上記プログラム修了に必要な単位数
分類
国立・公立・私立のいずれか
偏差値(最値)
学部の記載がある場合はその学部の、大学名のみ記載の場合はその大学のうち最も偏差値の低い学部の偏差値を記載
オープンバッジ発行
デジタル修了証書として就職活動や進学に活かせるオープンバッジの発行有無

東京大学

  • プログラム名称:数理・データサイエンス・AI教育応用基礎プログラム
  • 修了要件単位数:10~12(文科生)/12(理科生)
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):70
  • オープンバッジ発行:あり

東京大学では全学部を対象にプログラムを展開しています。文科生か理科生により異なる科目と、共通の科目でプログラムは構成されており、数学・情報・アルゴリズムについて学びます。
また理科生であれば6単位分は必修科目になっているので、お得にプログラムを履修できそうです。

言わずもがな入学するのは難しいですが、入学できた暁にはぜひ履修したいプログラムです。

東京工業大学

  • プログラム名称:データサイエンス・AI全学教育プログラム(応用基礎レベル)
  • 修了要件単位数:3
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):65
  • オープンバッジ発行:あり

東京工業大学のプログラムは、当大学が別途用意するリテラシーレベルの学修を終えた学士課程2年次学生を対象としていることもあり、修了要件単位数は3単位と少なめですが難しい内容のカリキュラムが用意されています。また院生向けにエキスパートレベルのプログラムも準備があり、より知識を深めたい方にオススメです。

大学としてコンソーシアムを立ち上げるなど、産学連携にも力を入れており、社会的課題の解決能力養成を組み込んだ授業が展開されているため、実践力を身につけられます。

早稲田大学

  • プログラム名称:早稲田大学データ科学教育プログラム
  • 修了要件単位数:5
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):62.5
  • オープンバッジ発行:なし

早稲田大学ではリテラシー級、初級、中級、上級にわたってプログラムが用意されており、リテラシー級はMDASHのリテラシーレベルの認定を、初級は応用基礎レベルの中でも特に優れたプログラムが認定される、応用基礎レベルプラスの認定をそれぞれ受けています。
上級科目が用意されていることで、将来を見据えたうえでどこまで履修するべきか考えやすいのもいいポイントです。

初級のプログラムはデータ科学における考え方を理解した上で、実際に基本的な分析ができることを目標に、既存科目の組み合わせではなく専門分野での活用を意識した統一的な視点で構成されています。各単元では理論学習とPythonやExcelでの実践が含まれ、すべてオンデマンドで学習可能です。

受講のしやすさもあって、令和3年度には学校全体で3,637名、入学定員の1/3が履修する人気のプログラムになっています。

筑波大学

筑波大学は一般的な学部・学科の代わりに、学群・学類制をとっており、そのうち情報学群と理工学群の2学群でそれぞれ別のプログラムを運用しています。

筑波大学 情報学群

  • プログラム名称:数理・データサイエンス・AI教育プログラム
  • 修了要件単位数:10
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):60
  • オープンバッジ発行:なし

情報学群の学生を対象にした数理・データサイエンス・AI教育プログラムでは、数学やプログラミングからなる基礎科目群から8単位、データサイエンスや実践科目を豊富に含んだ専門教育科目群から2単位の修得が必要になります。

プログラムは令和元年から認定を受けていることもあり、毎年150名以上の学生が当プログラムを利用しており、講座の中身や運用自体も安心して受講することができるでしょう。

またプログラム自体は共通科目で構成されているので、情報学群に所属する学生であれば無理なく履修が可能です。

筑波大学 理工学群

  • プログラム名称:データサイエンス応用基礎プログラム
  • 修了要件単位数:8
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):60
  • オープンバッジ発行:なし

理工学群の学生を対象にしたデータサイエンス応用基礎プログラムは、成果発表を伴うグループワーク、実課題や実データを扱う演習、実務専門家による特別講義や発表の講評を行うことで、実践で役に立つケースと分析の追体験に資するデータを蓄積し、データサイエンス・ケースバンク新しいウィンドウで開くおよびデータバンク新しいウィンドウで開くとして学内外に広く公開していることを特色ある取り組みとして評価され、応用基礎レベルの認定としてさらにレベルの高い、「応用基礎レベル プラス」の認定を受けています。

プログラム自体のレベルも高く、特に専門教育科目群から、学生の所属する学類毎に特色のある科目が選択可能となっており、学生のうちからドメイン知識を深めたデータサイエンティストとしてのキャリアを歩み始めることが可能です。

明治大学

  • プログラム名称:総合数理学部 数理データサイエンス人工知能応用基礎レベルプログラム
  • 修了要件単位数:16
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):60
  • オープンバッジ発行:なし

明治大学では総合理工学部を対象にしたプログラムで応用基礎レベルの認定を受けています。

プログラムは数学・統計・プログラミングやそれらの複合的な内容のカリキュラム、実践を含んだカリキュラムで構成されている「ベーシックプログラム」と、機械学習や音声・画像処理、データベースなど学生の所属コースごとに設定されたより高度な講座で構成されている「発展プログラム」に分かれています。

また一部総合数理学部の学生でなければ履修できない講座があるものの、その他学部の学生もプログラムを履修・修了可能なようです。

法政大学

  • プログラム名称:法政大学数理・データサイエンス・AIプログラム(応用基礎レベル)
  • 修了要件単位数:6
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):57.5
  • オープンバッジ発行:あり

法政大学のプログラムはフルオンデマンドで開講され所属キャンパスに限らず受講できるほか、文理の区別なく初学者にとって学びやすい内容になっています。事例紹介が豊富なことも特徴の一つです。

受講者の紹介動画も上がっているので、実際に見てみるとよりイメージが付きやすいでしょう。統計的品質管理、損失額シミュレーションといった言葉が出てくることを考えると、ビジネス目線で必要なスキルを身につけることができそうです。

情報科学部のみ自学部開設科目での開講となるので注意しましょう。

横浜市立大学

  • プログラム名称:データサイエンス人材育成プログラム
  • 修了要件単位数:40
  • 分類:公立
  • 偏差値(最値):57.5
  • オープンバッジ発行:あり

横浜市立大学では2018年に新設されたデータサイエンス学部が対象のプログラムです。データサイエンスという名前の通り、学生生活を通してデータサイエンスについて本格的に学ぶことができます。

数学から必須単位に組み込まれていることから丁寧な印象を受けますが、数学をしっかり受講しなければならないほど、後半のカリキュラムが本格的であることを示唆しているとも言えます。

設立されて数年の学部ではありますが、横浜市立大学は通常の応用基礎レベルの認定よりもさらに優れていると認められたプログラムのみが選定を受ける、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎レベル)プラス」に選定されています。

工学院大学

工学院大学は工学部・先進工学部・情報学部の3学部において、それぞれ別のプログラムを運用しています。

工学院大学 先進工学部

  • プログラム名称:先進工学のための数理・データサイエンス・AI教育プログラム
  • 修了要件単位数:9
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:あり

先進工学部の学生を対象としたプログラムでは、先進工学分野の情報科学、自然科学、化学教育を通して目的に応じて適切なデータ収集・抽出・分析を行う能力やAI技術を活用して課題解決につなげる能力を身につけます。

大部分が1年次向けの科目で構成されており、比較的履修がしやすいでしょう。

工学院大学 工学部

  • プログラム名称:工学のための数理・データサイエンス・AI教育プログラム
  • 修了要件単位数:9
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:あり

工学部の学生を対象としたプログラムでは、工学分野の情報科学、統計学、ロボット教育を通して目的に応じて適切なデータ収集・抽出・分析を行う能力やAI技術を活用して課題解決につなげる能力を身につけます。

カリキュラムは大きく分けて線形代数や微分積分などの数学、ロボットの知能などAI、統計学の3分野に分かれています。

工学院大学 情報学部

  • プログラム名称:情報学のための数理・データサイエンス・AI教育プログラム
  • 修了要件単位数:14
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:あり

情報学部向けのカリキュラム情報学分野の統計学、機械学習、人工知能教育を通して目的に応じて適切なデータ収集・抽出・分析を行う能力やAI技術を活用し課題解決につなげる能力を身につけます。

3学部の中で一番履修要件単位数が多く、いわゆるAIエンジニアやデータサイエンティストとして専門を深めたい方にオススメです。

芝浦工業大学

  • プログラム名称:芝浦工業大学応用基礎レベル
  • 修了要件単位数:10
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:なし

芝浦工業大学ではシステム理工学部の生徒を対象としたプログラムがあります。数学や統計学から学び、システム工学C(データサイエンス)の科目では実データ分析に基づく課題発見・解決のグループワークがあるなど、実践的な内容となっています。

学習成果として「データサイエンスを横断的に利活用しエビデンスに基いた企画を行う実践力を身につける」とあるように、ただ分析できるようになるだけでなく、データに基づいた企画提案力が身につけられそうです。

津田塾大学

  • プログラム名称:総合政策学部データサイエンス応用基礎レベルプログラム
  • 修了要件単位数:12
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:なし

津田塾大学では総合政策学部の生徒を対象に、政策やビジネスでの課題解決において、データサイエンスを活用した解決策やビジネスモデルの提案・実行までを行う人材育成を目的としたプログラムがあります。

データサイエンス入門や統計学などの必修科目のほかに、データ政策科学や経済分析といった選択必修科目から、学生が興味を持てる分野を選択できるのも特徴的です。

上智大学

  • プログラム名称:データサイエンスプログラム(スタンダードコース)
  • 修了要件単位数:8
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:あり

上智大学では、文系・理系を問わず数理・データサイエンス・人工知能(AI)に関する知識や技術、倫理等について学修する機会の提供を目的として全学部を対象にしたプログラムを用意しています。プログラムはスタンダードコースとアドバンストコースの2つで、スタンダードコースが応用基礎レベルに認定されています。

2022年次生以降必修科目の「データサイエンス概論」は文科省のリテラシーレベル認定を受けており、データサイエンス概論を含めて合計8単位の取得でスタンダードコースを終了することができるため、比較的修得しやすいプログラムになっています。

理工学部生のみ必用要件となる科目が異なるため注意しましょう。

中央大学

  • プログラム名称:iDSプログラム
  • 修了要件単位数:22
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):55
  • オープンバッジ発行:あり

中央大学では全学部生を対象とした「AI・データサイエンス全学プログラム」が用意されており、所属学部の学びと並行して希望のスキルに合った科目を履修することができます。

プログラムにおける科目のうち、2~4年次にわたり、学部・学年の垣根を越えて実践的グループ活動を行う「AI・データサイエンス演習」の受講生を対象としたiDSプログラムが応用基礎レベルに認定されています。

複数ヵ年にわたる実践科目が必修ということもあり履修人数は決して多くはないですが、その分本気度の高い学生と、分野の域を超えたコミュニケーションができ、さらには複数年にわたる分析経験を積むことができるのは非常に魅力的です。

学習院大学

  • プログラム名称:データサイエンスプログラム
  • 修了要件単位数:16
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):52.2
  • オープンバッジ発行:あり

学習院大学では、2022年度より設置された全学部対象のデータサイエンスプログラムが認定を受けています。科目は文系・理系の専門を生かせる領域と、データサイエンス科目の組み合わせで構成されており。それぞれの専門を生かしどういったデータ人材を目指していけるのかが分かりやすくなっています。

データサイエンティストとしての専門を深めたい学生にも、他の専門領域でデータサイエンティストとして活躍したい人にも対応したプログラムになっています。

日本女子大学

  • プログラム名称:数理・AI・データサイエンスに関する教育プログラム(アドバンス)
  • 修了要件単位数:11
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):50
  • オープンバッジ発行:なし

日本女子大学は理学部の生徒を対象にプログラムを展開しています。特長的なのは、「基礎数理」「線形代数学Ⅰ」「微分積分学Ⅰ」といった数学分野が選択必修(記載の3科目のうち1科目必修)となっていることです。
対象が理学部という事もあり、数学分野の得意不得意や、自身の専攻に合わせて学生がある程度選択できる幅を用意しているようです。

また日本女子大学の本プログラムの履修者数は、令和3年、4年ともに200名程度であり、毎年の理学部入学者数とほぼ同等、つまり理学部生の1/4が履修している人気プログラムであると言えるでしょう。

千葉大学

  • プログラム名称:数理・データサイエンス・AI応用基礎プログラム
  • 修了要件単位数:10
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):50
  • オープンバッジ発行:発行予定

国際教養・文学から医学・薬学まで10の学部を持つ千葉大学では全学部の学生を対象としたプログラムが用意されています。全学部共通の学修内容の様ですが、工学部・理学部の学生の受講が多いようです。
科目には「野球観戦に活きるデータ科学」のような面白い科目もあり、楽しみながら学習できそうです。

また2024年度より、大学院に情報・データサイエンス学府(後期3年博士課程)が設置され、より研究を深めていきたい方にも魅力的です。

東京農工大学

  • プログラム名称:数理・データサイエンス・AI教育プログラム(応用基礎)
  • 修了要件単位数:6
  • 分類:国立
  • 偏差値(最値):50
  • オープンバッジ発行:なし

東京農工大学では全学部の学生を対象としたプログラムが用意されています。プログラムは学科別指定科目と学部別指定科目で構成されており、修了要件単位数は比較的少ないです。
農工専門なだけあり、バイオインフォマティクスや生物統計学といった、ドメイン特有のデータサイエンスについて学べるのが特徴でしょう。

教員の増員を計画してはいるようですが、キャンパスごとの定員が50名程度と限られているため、東京農工大学でデータサイエンスを学びたい方は気を付けましょう。

成城大学

  • プログラム名称:データサイエンス基礎力育成・認定プログラム
  • 修了要件単位数:4
  • 分類:私立
  • 偏差値(最値):50
  • オープンバッジ発行:あり

理系学部のない成城大学でも、全学部対象のプログラムを用意しています。成城大学では16科目が用意されており、そのうち2科目の修了でリテラシーレベル・ディプロマ(文科省のリテラシーレベルに対応)の、追加の2科目の修了で応用基礎ディプロマ(文科省の応用基礎レベルに対応)の認定が受けられます。
さらに上のレベルも用意されており、Pythonを活用した機械学習の実現方法や、金融系ビッグデータを用いた演習が用意されています。

その他認定校は文部科学省ホームページ新しいウィンドウで開くから確認いただけます。

国内初開設はどこの大学?

国内初のデータサイエンス学部は、滋賀大学で、2017年に設立されました。それ以降は2018年に横浜市立大学、2019年に武蔵野大学、2021年に立正大学と設立が相次いでいます。
23年はさらなる新設ラッシュとなり、72年ぶりに学部を新設した一橋大学を含め、17大学が文部科学省に届け出を出しています。

参考:データサイエンス系学部、新設相次ぐ背景は?|日本経済新聞新しいウィンドウで開く

データサイエンスを学べる大学・学部・学科はどう選ぶ?

大学・学部・学科は「データサイエンティストになりたい場合」はデータサイエンスが深く学べる大学を、「働きたい業界が決まっている場合」は特定の学部を、「データサイエンティストになり、かつ特定の業界で働きたい場合」はデータサイエンスが学べる特定の学部を選ぶのがオススメです。

データサイエンティストになりたい場合

業界はまだ決まっていないけれども、データサイエンティストになりたい場合は、データサイエンスが深く広く学べる大学を選びましょう。データサイエンス学部と学部名についている場合は分かりやすいですが、理工学部や数学科など、名前が異なる場合でもデータサイエンティストを目指せるケースは多いです。
MDASHの認定を受けているかどうかは分かりやすい指標になりえるでしょう。

働きたい業界が決まっている場合

データサイエンティストに興味はあるけれどなりたいかどうかは分からない。でも働きたい業界が決まっているといった場合には、データサイエンスが学べるかどうかではなく、ご自身の働きたい業界に勤めやすい大学の学部を選びましょう。
もちろん学生のうちにデータサイエンスを学べるに越したことはないですが、社会人になってから学びなおすこともできます。

データサイエンティストになり、特定の業界で働きたい場合

データサイエンティストになって、働きたい業界が決まっている場合は、データサイエンス学部のようなデータサイエンスを深める学部も、特定の学部でデータサイエンスを学べるような大学もどちらもオススメです。データサイエンスは数時間でみにつくような技術ではなく、理論の理解を深めるには専門で学べる道もよいでしょう。一方で特定の学部でデータサイエンスについて理解を深めていくことにもメリットがあります。
どうするかは、データ分析やAIに関する業務をどの程度の深さでしたいのかによるため、自分でコードを書いたりしたい方はデータを専門的に学び、データを活用して課題解決を行いたい方は特定の学部でデータサイエンスも学べるような大学を選ぶのが良いでしょう。

大学卒業後の進路は?

データサイエンスを学んだ卒業生にはさまざまなキャリアの選択肢があります。データサイエンティスト、データアナリスト、ビジネスインテリジェンスアナリスト、機械学習エンジニア、AIエンジニアなど、データ関連の職種でのキャリアが可能です。また、大手企業、ベンチャー企業、政府機関、研究機関などで活躍する機会が広がっています。

今後のデータサイエンティストの需要

データサイエンティストの需要は今後も高まると予想されています。データはますます蓄積され、その解析によって新たなビジネス機会が生まれるため、データサイエンティストのスキルは非常に重要です。特にビッグデータ、人工知能、機械学習の分野での需要が増加しており、データサイエンティストはこれらの技術を活用して価値を創出する役割を果たしています。

まとめ

データサイエンスについて学べ、データサイエンティストを目指せるのは『データサイエンス学部』だけではありません。経営・経済などの文系科目の知識や、物理・医学などの理系科目の知識を基盤として持ったうえでデータサイエンスのスキルを身につけておくことは、就職にもその後のキャリアにも役立ちます。もちろん、データサイエンス学部のように専門で学習することで、より技術を深めていけることはデータサイエンティストのキャリアとしては有効です。

ご自身が将来どんな働き方がしたいのか、今のうちに想像してみましょう。

本ブログを運営する高度人材育成機構では、完全未経験からデータアナリスト・データサイエンティストを目指すデータサイエンティスト育成スクール、Tokyo iX『データサイエンス学科』を提供しております。講座は東京大学理工学研究科の佐藤一誠教授に監修ただいており、理論から学ぶアカデミックなインプットと、受講期間の70%以上を実践に割くカリキュラム構築により、データサイエンティストに必要な理論の理解と実践力を6ヵ月という短期間で身につけていただけます。

データサイエンス学科は経済産業大臣の認定を受けた第四産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)となっており、厚生労働省の専門実践教育訓練給付金の対象講座です。一定の要件を満たす場合は授業料の50〜70%の支給を受けられます。

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筆者あとがき

データサイエンス教育はようやく日本でも活発になってきました。執筆時点でも数多くの大学がMDASHの認定を受けており、現在はリテラシーのみ認定を受けている大学の中にも、応用基礎認定を取得するために動いていることを発表している大学もすでに存在しています。

常に最新情報を確認して理想の大学を見つけましょう!

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